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【PS4・5】「バイオハザード ヴィレッジ」の感想・レビュー。一人の男の物語が終わり、新たな物語が始まる【ACT】

こんにちは。なかやんです。

今回、2021年5月8日にPS4・5でリリースされた「バイオハザード ヴィレッジ」をプレイしたので、感想・レビューを書いていきます。

クリアまでの総プレイ時間は約9時間です。

「バイオハザード ヴィレッジ」ってどんなゲーム?

「バイオハザード ヴィレッジ」はアクションホラーの金字塔、バイオハザードシリーズのナンバリングタイトル8作目として開発されたゲームです。

これまでのTPS(三人称視点シューティングゲーム)から一転してFPS(一人称視点シューティングゲーム)となった前作「バイオハザード7」のアクション性を踏襲し、主人公も前作同様、イーサン・ウィンターズを操作することとなります。

主人公が同じこともあり、バイオハザード7とストーリーは続いているので、「バイオハザード ヴィレッジ」をプレイするのであれば、前作のおおまかなストーリーは把握しておいた方が良いでしょう。

また、前作は廃墟と化したベイカー家、つまり屋内が主な舞台となっていましたが、今作ではタイトルの通り「村」がメインの舞台となります。

しかし、村といってもそれなりの規模があり、村内にある城、沼地、工場など、舞台が様々に変わる点が前作との大きな違いとなっています。

またアイテム管理の方法がアタッシュケース方式になったこと、装備品やアイテムを商人から購入可能になったこと、狂気に満ちた村が舞台であること、これらからバイオハザード4を彷彿とさせるゲームデザインになっています。

ゲーム開始5分で衝撃の展開。続きが気になるシナリオ

物語の始まりは、前作から3年半後となります。

イーサンは妻のミアと生まれたばかりの娘、ローズマリーの三人で、ベイカー家の悪夢が癒えつつある中、穏やかに新しい生活を送っていました。

そんな中、前作でイーサンを救助したバイオハザードシリーズの重要人物、クリス・レッドフィールドが突如特殊部隊を率いてイーサン宅を襲撃、なんとミアは殺害され、イーサンとローズマリーは拉致されることとなります。

ちょっとはなんか説明すれば良いのに、なんの説明もなく襲撃してくるクリス。

その後、運送中に事故があり、一人でとある村に辿り着いたイーサンは、ローズマリーを探すために、村を捜索することになる、というのがおおまかなあらすじです。

前作の主要登場人物のミアが急に射殺されるなど、かなり衝撃的な展開なのですが、「バイオハザード ヴィレッジ」は、前作では明かされなかったイーサンの正体や、新たなる陰謀にまつわるエピソードが随所に散りばめられています。

前作のバイオハザード7は、色々な意味でこれまでのバイオハザードとは一線を画する作品となっていましたが、「バイオハザード ヴィレッジ」でようやく過去作との繋がりが明らかになってくるので、シリーズファンにとっては「こことここが繋がるのか!」という場面が多々出てきます。

これまでの作品より一層続きが気になる展開となっており、シナリオ面での面白さが強調されていると言えるでしょう。

イーサンの謎

バイオハザード7から主人公に抜擢されたイーサンですが、これまでのバイオハザードの主人公のように戦闘訓練などを受けた人物ではなく、あくまでも一般市民としてベイカー家の事件に巻き込まれて行きます。

人知を超えた出来事が起きたり、どんなひどい目にあっても大抵「マジかよ」で済ますイーサン。

しかし、回復薬を手にかけるだけで体力が全回復したり、バイオハザード7の序盤では錯乱したミアにチェーンソーで手を切断されたにもかかわらず、ホッチキスのようなもので接合するだけで元どおりになるなど、人間離れした治癒力を見せます。

「バイオハザード ヴィレッジ」でもイーサンは序盤から満身創痍の状況に陥ります。

極め付けは今作最初のエリアのボス、ドミトレスク婦人に手を切断されたにも関わらず、回復薬をかけるだけで、手が癒着し、元どおりとなるシーンです。

これまではゲームだから大目に見てあげようという気持ちでいたプレイヤーも、さすがにこのシーンで「イーサンもちょっとおかしいんじゃないか?」と思うはずです。

このように、これまで一切描かれることのなかったイーサンの正体について迫るシナリオも、今作を単なるアクションホラーたらしめない良作にしています。

エリアによって大きく変わるゲーム性

前述の通り、「バイオハザード ヴィレッジ」の舞台である村は、居住区の他に、村を統治する四貴族の拠点、城、人形屋敷、沼地、工場でそれぞれ戦いが繰り広げられます。

城では城主で四貴族の一人、ドミトレスク婦人がイーサンを捜索するために城の中をうろついており、バイオハザード2のタイラントから逃げるように、鬼ごっこをしながら城内のギミックを解いていくこととなります。

外から見たドミトレスク城。

また、人形屋敷ではこれまでのバイオハザードとは全く違うゲーム性となり、装備も何もない中、不気味な洋館を探索することとなります。

この人形屋敷は、小島秀夫監督の「P.T.」を彷彿とさせ、僕は今作でこのエリアが最も怖く感じました。

さらに、沼地では敵の一撃死の攻撃から逃げながら、ギミックを解いていったり、工場ではこれまでのエリアとは比較にならない数の敵が出てくる、ハックアンドスラッシュの要素があったりと、エリアごとに異なるゲーム性を見せるのがとても印象的でした。

ついつい夢中になってしまう「寄り道」要素

「バイオハザード ヴィレッジ」では、村に隠された財宝(換金アイテムや武器・装備)を手に入れる探索要素が非常に豊富で、アンチャーテッド的なトレジャーハントを楽しむことができます。

換金アイテムは村にいる正体不明の商人、デュークに売ることでお金にすることができ、それを元に装備・アイテムのパワーアップが可能になります。

CV茶風林が板についている商人のデューク。

また、財宝はマップで確認可能なので、新しく行けるようになったエリアに財宝があると、ついつい取りに行きたくなる収集欲に駆られます。

娘を探しにきたはずなのに、トレジャーハントを楽しんでいる場合なのかとツッコミたくなりますが、今までのシリーズにはなかった要素で、非常に面白かったです。

新旧ファンを納得させる意欲的な最新作

「バイオハザード ヴィレッジ」は、バイオハザード7のゲーム性を損なわず、これまでのシリーズの良い要素と全く新しい要素をうまくブレンドさせた作品になっていると感じました。

25周年を迎えるバイオハザードシリーズの最新作にふさわしい出来になっており、さらに続編を期待させる作りになっている点は圧巻と言わざるを得ません。

これだけのタイトルとなると、どうしてもマンネリ化が取り沙汰されますが、それを打ち破ろうとしているスタッフの意欲が見て取れました。

イーサンの物語の結末と、新しい物語の萌芽をぜひご自身でプレイしてみてください。