ACT

【PS4】「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」の感想・レビュー。「おつかいゲー」ここに極まれり【ACT】

こんにちは。なかやんです。

今回、2019年11月8日発売の「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」をクリアしたので、感想・レビューを書いていきます。

総プレイ時間は約37時間です。

DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」ってどんなゲーム?

DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」は、メタルギアソリッドシリーズでおなじみの小島秀夫さん率いるコジマプロダクションが開発したアクションゲームです。

コナミから独立した小島さんがコジマプロダクションを立ち上げて初めて企画・開発したゲームということから、発売前からかなり注目を浴びた作品です。

あらすじとしては、デス・ストランディングという大規模爆発により、人と人との繋がりが分断された世界を、ノーマン・リーダス演じる伝説の配達人「サム・ブリッジズ」が繋いでいくというものです。

作品を通じて「つながり」というものが強調されており、これはゲーム内のストーリーだけではなく、このゲームをプレイするプレイヤー同士のつながりも意味します。

全編通してこれまでのゲームにはなかった前衛的な試みがなされており、さすがは小島さんだなといった印象を受けました。(いい意味でも悪い意味でも)

「伝説の配達人」となり、荷物を届けよ

DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」の世界観をあえて例えると「近未来SF」と言ったところでしょうか。

文明は今より少し栄えているのですが、前述の大規模爆発、デスストランディングによって人と人との関わりが物理的に途切れています。

「インターネットが使えない世界」になってしまった、と例えるとわかりやすいでしょうか。

しかもデスストランディング発生後、「BT」と言われる死霊のようなものが外をうろつきはじめ、外出は危険なものとなってしまい、人々はそれぞれの地下シェルターで暮らすようになりました。

そのような状況下でも物資の供給は必要です。

だからこそ、主人公のサムのような荷物配達人「ポーター」は、この世界では重宝されています。

もっと細かい背景があるのですが、配達人が重宝されているのは概ねこんなところです。

ドローンや自動操縦技術で荷物を運ぶのが人である必要がなくなりつつあるリアルの現代で、あえて人の手で荷物を運ぶ配達人を主人公とするこの設定、面白いですよね。

荷物を運ぶということに加え、カイラルネットワーク(「すごいインターネット」と思ってください)でアメリカを繋ぎ、西海岸の方で囚われの身となっている義姉のアメリを救出する、というのがサムの目的となります。

「足」で荷物を運ぶという煩わしさ

世界が崩壊しているので、舗装されている道も便利な乗り物もありません。(ストーリーを進めるうちに手に入りますが)

サムは自分の体重より重い荷物を背負いながら、時には山道や雪道を通って配達しないといけません。(むしろ悪路を通ることの方が多い)

時には生きた人間を運ぶことも。

荷物の積み方や運び方にも気をつけないといけないですし、荷物の破損率によっては依頼を達成できないこともあります。

しかも、前述した死霊「BT」や、配達依存症といわれる病気に侵されたポーター、「ミュール」がサムに襲い掛かります。

正直僕はプレイ中、本当にイライラさせられることが何度もありました。

(敵に襲われるというより、なんかよくわからないけど足滑らして転んで、荷物をぶちまけることが多かった)

その度に、荷物を人に届けるということ、(カイラルネットワークで)人と人を繋ぐということはこんなにも大変なことなのか、と思い知らされます。

その分、依頼を成し遂げた際の達成感もひとしおですし、「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」の世界の住人はめちゃくちゃサムを褒めてくれるので、「次も頑張ろう」となるのですが。

DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」のレビューには、「荷物を運ぶ時の操作性が悪い」みたいなことが書かれていることがありますが、おそらくわざと煩わしく作ってあるのでしょう。

この道はミュールが出るからやめておこう、とか、この装備があれば配達が楽になるな、というのを考えながら踏破するのが「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」の醍醐味です。

「面倒くさいのを楽しむゲーム」なので、さくさくプレイしたい方にはあまりおすすめできないかもしれません。

プレイヤー同士の「繋がり」も意識された構成

DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」は基本的に一人用のゲームなのですが、オンライン要素があります。

それが他のプレイヤーの建造物(国道や橋など)が自分にも反映される、というものです。

これらの建造物は全てカイラルネットワークを介して3Dプリンターのようなもので作られるので、カイラルネットワークを繋がないと使えない、つまり最初から国道や橋が使える訳ではない、というのが良い難易度になっているのですが、このシステムは面白いと思いました。

他人の建造物には「いいね!」を押すことができ、この「いいね!」を集めることで、サムのステータスも強化されるのですが、(NPCの依頼をこなすことでも獲得できる)めちゃくちゃいいところに橋とかを作ってくれるプレイヤーがいたり、国道建設のために素材を提供してくれるプレイヤーがいると思わず「いいね!」を押してしまいます。

ナイスな位置に橋をかけてくれた人。

他のプレイヤーの姿を直接見ることはないのですが、基本的に一人で黙々と配達を続ける「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」というゲームで、人との「繋がり」を明確に感じることができる面白いシステムだと思います。

DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」の賛否両論点

ここからはネットで語られがちな「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」の賛否両論点を上げていきます。

難解なストーリー

ストーリーはただゲームをなぞっているだけでは完全に理解できないと言っていいでしょう。

DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」は依頼をクリアしたり、ストーリーを進めるごとに「Tips」を入手することができ、それを読むことでようやく世界観を補完できるようになっています。

このプレイヤーを置いてけぼりにする世界観の構築において、小島さんの右に出るものはおそらく日本にはおらず、「単なるオ◯ニーではないか」と揶揄されることもありますが、そうなんです。このゲームははっきり言って小島さんのオ◯ニーです。

それでいいんです。

「俺はこういうゲームを作ったけど、楽しみ方はお前ら次第だからな」と言われているような作品です。

この世界観、操作性、随所に散りばめられたこだわり、そういったものをただ与えられるのではなく、プレイヤー自ら楽しみにいかなければ、「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」というゲームを楽しめないのです。

ムービーが多すぎる

このゲームは本当にムービーが多く、エンディングはマジで2時間くらいムービーを見ることになります。

ムービーゲーが嫌いな方はこのゲームはやらないほうがいいと思います。

小島さんは「ゲームを作りたい」というより、小島さんの持つ世界観をもっともうまく表現できるものがゲームだからゲームを作っている、と言った感じなのでしょうか。

プロモーションの華麗さの割に人を選ぶゲーム

月並みな感想になりますが、「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」というゲームは華々しいプロモーションを敷いた話題作の割にかなり人を選ぶゲームです。

楽しくない人にはとことん楽しくないですし、面白い人には神ゲーとうたわれる、そんなゲームです。

「ゲームって全部そうじゃね?」って言われそうですが、「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」はそれがとても顕著だと思います。

戦闘も途中までかなり地味です。

縄と自分の糞尿から抽出されるグレネードしか武器がありません。

中盤からは銃火器を扱えるようになりますが、途中まで「なんで俺はこんな過酷な環境をこんな装備で耐えねばならんのだ」と理不尽さに晒されます。

でもだんだん、その理不尽さが楽しくなって来るんですね。

自分でも何を言ってるのかわからないんですが、理不尽な仕事の中に「遊び」を見出していくのが、このゲームの楽しみ方だと思います。

別にこのゲームを面白いと感じたから「通」である、みたいなことを言うつもりはありませんし、「なんなんだこのゲームは」と思うことも多々ありました。

でもなんだか、2019年で一番「クリアしてよかったな」と思える、そんなゲームでした。

クリアまでそんなに時間はかかりませんし、ぜひ一度プレイしていただきたいゲームです。