こんにちは。なかやんです。
今回、2020年2月20日に発売された、「ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ(P5S)」をクリアしたのでレビューを書いていきます。
総プレイ時間は約50時間です。
「ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ」ってどんなゲーム?
P5Sは、言わずと知れたペルソナシリーズの最新作、ペルソナ5の続編として発表されたゲームです。
なので、前作をクリアしていない方にはプレイを推奨できません。
また、2019年に発売されたリメイクのP5Rの続編というよりは、無印のストーリーに続いている印象です。
特筆すべきは「無双シリーズ」で有名なコーエーテクモとの共同開発で、シリーズ初のアクションRPGとなっている点です。
ストーリーとしては、事件解決の半年後、夏休みに仲間との再開を果たした主人公(ジョーカー)が仲間たちと夏休みの計画を立てている最中、異世界「ジェイル」に迷い込んでしまうところから始まります。
「ジェイル」とはなんなのか、これまでの「パレス」と何が違うのか、その謎を解明するために、怪盗団一行は全国に点在するジェイルを探す旅に出ることになります。
僕はゲームを始めるまで、ペルソナというブランドを借りた無双ゲー・キャラゲーかと思っており、正直大して期待していなかったのですが、これはいい意味で大きく裏切られることになりました。
世界観を壊さない、適度なアクション要素とRPG要素の融合
P5Sでは、ジェイル内を探索し、マップ内のギミックを使いながら、強敵を倒していくという、基本的な攻略方法は前作と変わりありません。
ただし、ジェイルは広大で街全体にシャドウが溢れています。
広いマップで怪盗団たちがシャドウ相手にスタイリッシュに暴れる様子は、シリーズファンとしてはとても新鮮です。
また、今作は「ジョーカー」以外の怪盗団メンバーもプレイアブルキャラクターとして操作することができます。(「ナビ」以外)
4人パーティを組んで、うまく敵の弱点をつくようにメンバーを交代(前作のバトンタッチ)し、ダウンをとって総攻撃を仕掛けるという流れは前作と変わりありません。
また、キャラクターごとに独特のアクションが用意されている点がとても面白く、例えば「スカル」だと溜め攻撃ができたり、「クイーン」のヨハンナを乗り回すなど、多種多様なアクションが用意されています。
また、ハックアンドスラッシュのように常に敵を倒し続ける訳ではなく、ジェイル内はシンボルエンカウントとなっているので、戦闘を避けて進むことも可能です。
この辺りのバランスがよく、ただボタンを押して敵を倒すようなアクションゲームではなく、効率的にスキルを使い、パーティメンバーを入れ替えながら攻略を進める楽しさは健在です。
またアクションゲームとしての完成度も高く、ただ殴るだけでなく、マップのギミックを用いたり、うまく回避をとることで敵をダウンさせることができたり、ボス戦は手に汗握る戦いが味わえます。
テーマは「旅」。街の再現度も高く、探索の楽しさも味わえる
P5Sでは、点在するジェイルを探すために、怪盗団一行が全国を旅することになります。
どこに行くかは実際にプレイして確認して欲しいのですが、各地の街の再現度が高く、また、ご当地グルメなどのアイテムを購入することができ、探索の楽しさが味わえます。
P5Sは街の探索パートと、ジェイル探索のパートに分かれているので、メリハリもありプレイヤーを飽きさせません。
また、P5Sの重要な攻略要素として、「料理」があります。
街で売っている食材を利用して、HP回復やSP回復ができる料理をアイテムとして作ることができます。
この料理の「レシピ」を手に入れるのに街の探索は必要な要素となっています。
新しい仲間たちが物語を盛り上げる
P5Sでは、怪盗団の新しいメンバーとして、「ソフィア」と「長谷川善吉」が加わります。
「ソフィア」はジェイル内で出会った記憶を無くしたAIで、「人の良き友人になる」ということ以外は何も覚えていません。
「人の良き友人になる」ために人の心を知りたい、という動機で怪盗団のメンバーになります。
なぜかペルソナ能力を有しており、「人のためになる」回復系のスキルや祝福属性のスキルを覚えます。
ジェイル内では上記のようなフード付きの白いワンピースにブーツという出で立ちですが、現実世界ではAIのため、主人公のスマホに住むという設定になっています。
また、今作では前作にあった「コープシステム」が排除されており、回復アイテムの購入ができる武見医院や武具を購入できるミリタリーショップが使えないため、ショップ系はこのソフィアが通販で取り寄せてくれるという設定になっています。
また、もう一人の追加メンバー、長谷川善吉は序盤から怪盗団と関わりを持ちますが、正式にメンバーに加わるのはストーリー中盤になります。
このキャラクターのデザインが結構面白く、スキルは万能属性とバフ系、また攻撃系しか覚えません。
つまり、RPGというジャンルでは良くも悪くも特徴がないキャラクターなのですが、アクションというジャンルでは非常に個性的なキャラクターになります。
自身にカジャ系のスキルでバフをかけながら、ひたすら敵をなぎ倒して行くようなプレイングが可能で、このキャラクターだけは無双ゲーに出てきそうなデザインになっています。
ベルベットルームで複数のペルソナを操れ
シリーズお馴染みのベルベットルームも健在です。
2体以上のペルソナを合体させることで、より強いペルソナを生み出すことができます。
ジョーカーは複数のペルソナを扱うことができるので、ベルベットルームを活用することで臨機応変な対応が可能になります。
ただし、今作のベルベットルームは少し仕様が特殊で、自身のレベル以上のペルソナは作り出せません。(前作はコープレベル次第でお金を消費すれば可能だった)
また、レベルアップをしても新しく作れるようになるペルソナは基本的に一体程度なので、前作のような様々なペルソナ合体はあまり楽しめない作りになっています。
今作はコープが存在しないので、アルカナも関係なく、ペルソナの登場数自体も前作より少なめになっているので物足りなさを感じる方もいるかもしれません。
ですが、ペルソナの強化やレベルアップ等はやりやすくなっており、攻略に必要な要素はむしろ充実していると言えます。
「ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ」の疑問点
ここからは、P5Sのちょっとここはどうなんだろうな、という個人的に感じた賛否両論が生まれそうな点を書いていきます。
ボス戦でアイテムのゴリ押しが通用してしまう
P5Sのボス戦は通常の戦闘と同様、基本的に弱点をつきながら敵をダウンさせ、総攻撃を仕掛けることを繰り返して行くことになります。
ただし、この戦法をとるとSPの枯渇が激しく、スキルが使えなくなって負けるということが起こります。
ですが、前述の料理アイテムを使うことでSPの回復を行うことができるので、素材さえ手に入れば(通販でも購入可能)料理アイテムでSP回復連打でのスキルゴリ押しが通用してしまいます。
このあたりはもう少し調整するともっと面白くなりそうだなと思いました。
一部のペルソナを作成するのに手間がかかる
今回のペルソナ合体はただ必要なペルソナが揃っていれば合体できる訳ではなく、素材となるペルソナのレベルも要求されます。
終盤で強いペルソナを作るために、序盤で手に入るレベルの低いペルソナのレベルを上げなければならず、若干手間がかかります。
ベルベットルームでペルソナのレベル上げは可能ですが、あまり効率は良いとは言えず、少し面倒に感じる方もいるかもしれません。
ストーリーの意外性が乏しい
ペルソナシリーズと言えばストーリーの意外性、どんでん返しなどが面白いところなのですが、P5Sのストーリーはよく言えば王道、悪く言えばひねりがない、というか、あまり意外性を感じませんでした。
「こいつ悪者っぽいな」という奴がちゃんと悪者で、終始展開が予想できてしまう感があったので、前作のようなストーリー展開を期待している方は物足りなさを感じるかもしれません。
シリーズの新たなステージを見せた意欲作
個人的にはペルソナ5という作品とアクションの親和性はそもそも高そうだと思っていたので、P5Sはとても楽しめました。
無双ゲーにとどまらず、ペルソナシリーズのいいところを取りながら、しっかりRPGとしても仕上げてきたところはさすがと言えます。
シリーズのファンであれば、間違いなく楽しめる作品です。
ちなみに初回限定版に付いてくるシリアルコードを入力すると、歴代ペルソナシリーズの戦闘曲を通常戦闘時のBGMに設定することができます。
これが地味にテンション上がりました。
興味があればぜひプレイしてみてください。