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【PS4・Switch】「天穂のサクナヒメ」の感想・レビュー。稲作だけではなく、アクションも面白い新感覚アクションRPG【RPG】

こんにちは。なかやんです。

今回、2020年11月12日にPS4・Switchでリリースされた「天穂のサクナヒメ」をプレイしたので、感想・レビューを書いていきます。

総プレイ時間は約35時間です。

「天穂のサクナヒメ」ってどんなゲーム?

「天穂(てんすい)のサクナヒメ」は、同人ゲームサークルである「えーでるわいす」が開発し、マーベラスが発売を担当するアクションRPGです。

ゲーム全体としては、稲作を行い、主人公のサクナヒメ(サクナ)を強化していく「稲作パート」を進めながら、敵を倒しながら探索を進め、ストーリーを進めていく「アクションパート」に大きく分かれています。

この稲作パートが本格的で、「攻略のために農林水産省の公式ホームページが参考になる」などと言った投稿がSNSで話題になり、口コミが口コミを呼び、店頭で売り切れが続出し、「令和の米騒動」と言われるまでに一部ブーム化しました。

話のあらすじとしては、武神と豊穣神を親にもつサクナが、人間とのトラブルに巻き込まれ、罰として鬼の巣食う島である「鬼島」の調査を任命される、というものです。

稲作パートがゲームのキモとして注目されがちではありますが、アクションパートはマーベラスの代表作である「朧村正」のような横スクロール・コマンド入力型となっており、単純に見えて奥が深く、爽快感のある戦闘が楽しめるようになっています。

米を作り、豊穣神の力を取り戻せ

神の都でトラブルを起こしたサクナと人間たちが向かわされる「鬼島(作中ではのちにヒノエ島と呼ばれる)」は荒廃しており、サクナの豊穣神としての力が存分に発揮できない土地となっています。

サクナが力を取り戻すには、鬼島に豊穣をもたらす必要があり、そのために稲作を行うことになります。

前述の通り、米の出来次第でサクナのステータスに大きな変化が起こり、アクションパートを有利に進めることができるようになります。

また、アクションパートをより有利に進めるにあたり、「夕餉」による食事効果が重要になるのですが、ここでも米を使った献立は食事効果が高いので、米をたくさん作ることはゲーム上非常に大事な要素となります。

稲作の難しさ

「天穂のサクナヒメ」は稲作パート、アクションパートどちらも最初からチュートリアルが全て充実している訳ではなく、それぞれ「農書」と「兵書」を集めることで徐々に稲作や戦闘の仕様がわかるようになっています。

なので、稲作の事前知識がないと(ほとんどの人はないと思いますが)、「農書」が充実していない序盤は何が何だかわからない状況に陥ります。

稲作の専門用語や、稲の病気の名前、肥料はどれを与えれば良いか、どうやったら米量を増やすような育て方ができるのか、最初は何もわからない(作中のサクナも稲作の予備知識は無いという設定)ので、プレイヤーは最初必ず稲作の難しさに直面することになります。

農書を集めることで、徐々に稲作がわかりやすくなっていく。

このような仕様なので、農林水産省の公式ホームページが参考になるという意味も理解できますが、この「農書」を集めることで、サクナ同様プレイヤーも知識をつけていく、というのは非常に面白いと思います。

また、田植え等の農作業も最初は全て手作業で効率が非常に悪いのですが、ストーリーを進めるにつれ簡単な農機が開発できるようになると、非常に効率がよくなります。

最初は手作業で全ての苗を一つずつ植えなければならない。

千歯扱きや足踏式脱穀機など、実在の農機を使うことで農作業がとても楽になるので、昔の稲作の苦労と、先人の知恵の凄さをゲームながら知ることができます。

約1年を通してようやく米ができた時の感動と達成感は、手間をかけたほど大きくなり、稲作の大変さと楽しさの両方を味わうことができます。

収穫のワクワクさは異常

米を増やすことで、だんだんと夕餉の献立が豪華になって行く様も感慨深いものがあり、食べ物の大切さがより一層知れるゲームとなっています。

爽快感のあるアクションパート

稲作がクローズアップされがちですが、「天穂のサクナヒメ」はアクションパートのクオリティも非常に高いです。

前述の通り、「朧村正」のような横スクロール・コマンド入力型のアクションとなっており、これに加えて、サクナが持つ天女の羽衣の力を使う「羽衣技」の使い方が重要になってきます。

羽衣は敵を弾き飛ばしたり、弱体化させることができる「羽衣技」に使うほか、壁に貼り付けてグラップルのように使う移動手段としてや、敵の攻撃を回避するのにも使うので、アクションパートはこの羽衣の使い方次第で、非常にスタイリッシュかつ敵を一掃できる爽快感のある戦い方ができるようになります。

武器や装備の種類も豊富で、「枝魂」という、装備に取り付けることで特定のプラス効果をもたらすアイテムなどを組み合わせると、取れる戦略はかなり多くなります。

自分だけの装備や技の組み合わせを探して、お気に入りの戦い方をするという楽しみ方も出来るようになっています。

魅力的なキャラクター達とわかりやすいストーリー

「天穂のサクナヒメ」は主人公のサクナをはじめ、キャラクターデザインが可愛らしく作られており、共に鬼島に行くことになる5人の人間も個々に程よくキャラクター付けがされています。

特に主人公のサクナは神の都で自堕落な生活を送っていたこともあり、最初は面倒くさがりでいい加減な性格なのですが、ストーリーが進むにつれ神としての自覚と責任感が芽生え、とても魅力的なキャラクターとなっていきます。

初めは渋々行っていた稲作も、サクナの生活の一部になっていく。

そしてそれを演じる大空直美さんが実にはまり役で、表情豊かなサクナをうまく演じきっています。

ストーリーは良くも悪くもわかりやすく、挫折を味わいながら困難に立ち向かおうとするサクナと人間達の絆には心打たれるものがあります。

アクションパートのBGMも和を意識したものとなっており、特に最終ダンジョンのBGMはあるイベントシーンのBGMをアレンジしたものとなっていて、物語を盛り上げます。

アクションRPGに稲作という育成要素を取り入れたことで、オリジナリティのあるゲームとなっています。

クリアまで30時間程度とコンパクトにバランスよくまとまっているゲームなので、興味のある方はぜひプレイすることをオススメします。