こんにちは。なかやんです。
今回、2021年7月15日にSwitchでリリースされた「クレヨンしんちゃん『オラと博士の夏休み』~おわらない七日間の旅」(以下:オラ夏)をプレイしたので、感想・レビューを書いていきます。
クリアまでの総プレイ時間は約9時間です。
「オラ夏」ってどんなゲーム?
「オラ夏」は、有名シミュレーションゲーム「ぼくのなつやすみ」と国民的アニメ「クレヨンしんちゃん」がコラボレーションしてできたゲームです。
「ぼくのなつやすみ」は、自然豊かな田舎で「昆虫採集」や「魚釣り」など、今の子供達があまりしないような遊びをしながら夏休みを過ごすというゲームで、その独創性の高さとこのゲームでしか味わえない独特のノスタルジックな雰囲気から、いまなお高い人気を誇っています。
「クレヨンしんちゃん」は言わずもがな、最近では大人も心動かされる劇場版アニメも人気で、「ぼくのなつやすみ」とのコラボでどのような相乗効果が生まれるか、「オラ夏」発売前から注目を浴びていました。
なお、制作には「ぼくのなつやすみ」シリーズの綾部和さんが携わっており、その世界観が正当に受け継がれていると言えます。
ストーリーは、ひろしが出張で九州に行くのに合わせて、熊本の「アッソー」に住む、みさえの友人「ヨヨコ」が運営する「ひのやま食堂」へ、野原家一行が遊びに行くところから始まります。
その途中の熊本駅で、たまたま出会った謎のおじさん「あくの博士」から、撮った写真が「絵」になる「おりこうカメラ」をもらったしんのすけが、様々な不思議な出来事に巻き込まれるというのが話の大筋です。
風光明媚な「アッソー」をしんちゃんと探検する
ゲームの目的としては、「おりこうカメラ」で絵日記を書き、それをヨヨコの父で新聞社を経営している「キャップ」に見せ、新規契約者を増やしていくというものです。
新聞のネタになる絵日記は、昆虫採集や魚釣りをしたり、アッソーに住む人の噂を集めたり、悩みを解決することで入手することができます。
このゲームの目立った特徴として、繊細に描かれた風景画のような背景の中をしんちゃんが動き回っているというような描写が用いられている(カメラワーク的にはバイオハザードに近い)ことが挙げられます。
あえて遠距離からの三人称視点を用いることで、懐かしい田舎の風景を際立たせようとしている制作側の意図を感じます。
このゲームの一番の醍醐味とも言える、自然豊かなアッソーをしんちゃんが走り回る様子は、子供の頃、夏休み中に親の実家の田舎に遊びに行った人なら懐かしさを覚えるでしょう。
「クレヨンしんちゃん」ならではの世界観をうまく活かしたつくり
アッソーでの暮らしでは、春日部に住む登場人物によく似た人たちが出てきたり、前述の「あくの博士」がタイムマシンで恐竜を呼び寄せたり、摩訶不思議なことがたくさん起こります。
そういった不思議な出来事を、しんちゃんならではのギャグで解決したりする様子を見ていると、「そういえば、しんちゃんってこんな感じだったな」と子供の頃見ていた「クレヨンしんちゃん」の記憶が蘇ってきます。
デタラメなキャラクター、ハチャメチャな設定で繰り広げられるストーリーは、クレヨンしんちゃんの世界観をうまく引き出しているなと感じました。
「オラ夏」の賛否両論点
「オラ夏」の懸念点の一つとして、9時間もあればクリアできてしまうボリューム感が挙げられます。
この手軽さは、メリットとも言える一方、ボリューム不足とも言われる所以となっています。
回収しきれていない伏線というか、疑問の残る箇所もありますが、個人的には区切りの良いところでスッキリ終われており、長すぎるよりかはいいかなと感じました。
もう一つの懸念点は、対象年齢をどこに置いているのかややわかりづらいという点です。
物語後半ではやや強引な恋愛要素が登場し、しかもそれが結構特殊な恋愛だったりするので、子供向けとは思えず、それでいて劇場版しんちゃんのような大人も意識したストーリー構成になっているかというとそうでもないので、若干ちぐはぐな感じがします。
ただ、そういった要素をクレヨンしんちゃんならではの破天荒な世界観の一つと言われれば、そういうものかとも感じれてしまいます。
キャッチーな題材のキャラゲーかと思いきや、対象年齢の曖昧さから意外と人を選ぶゲームとなっているのは否めません。
しんちゃんと夏休みを満喫しよう
上記のような賛否両論点はありますが、しんちゃんを動かしてアッソーを探検するのは単純に面白いですし、行動できる範囲が広がっていく感覚はワクワクします。
「ぼくのなつやすみ」と「クレヨンしんちゃん」の世界観をうまくミックスさせ、大人も童心に戻ってノスタルジーに浸ることができるゲームとなっています。
プレイ時間も10時間かからず、いい意味で手軽に遊ぶことができるので、この夏帰省ができなかった方など、せめてゲームの中で田舎に帰ってみてはいかがでしょうか。