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【PS4】「サイバーパンク2077」の感想・レビュー。あまりにも多いバグが全てを台無しにした勿体無いゲーム【RPG】

こんにちは。なかやんです。

今回、2020年12月10日にPS4でリリースされた「サイバーパンク2077」をプレイしたので、感想・レビューを書いていきます。

総プレイ時間は約60時間です。

「サイバーパンク2077」ってどんなゲーム?

「サイバーパンク2077」は「CD Projekt RED」が開発し、スパイク・チュンソフトから発売されたアクションRPGです。

CD Projektと言えば、ウィッチャーシリーズで知られるポーランドのゲーム開発会社です。

ウィッチャーは言わずと知れたアクションRPGの名作で、数多くの賞を取り、最近ではネットフリックスで映像化もされたゲームです。

そんなウィッチャーを生み出したCD Projektの新作として、2012年から開発が始まった「サイバーパンク2077」は非常に高い注目を集めていました。

そして度重なる発売延期を経て、2020年12月にようやくリリースされることとなりました。

ゲームの世界観はテーブルトークRPGの「サイバーパンク2.0.2.0.」(原作)を踏襲しており、その原作者の監修も行われているなど、かなり練りこまれたものになっています。

ゲームの舞台は2077年となりますが、リアルな近未来というよりかは、ある種レトロさを感じる未来感となっており、AKIRAやブレードランナーのようなコテコテのサイバーパンク感を味わうことができます。

感想を述べる前に

「サイバーパンク2077」の感想・評価を述べる前に、触れざるを得ない点があります。

それはCS(PS4)版のバグがとんでもなく多いことです。

後述するゲームの面白さをこのバグが全て台無しにしています。

僕は約60時間このゲームをやりましたが、ここまでバグが多いゲームは最近では珍しいと思います。

バグというより、正確にはPS4のスペックが追いついていないことによる処理落ちが問題になっているのかと思うのですが、建物や人のテクスチャの読み込みが遅く、舞台となるナイト・シティのせっかくの細やかな描写が描ききれていません。

また、アプリケーションエラーによるゲームの強制終了も当たり前で、本当に実機でテストプレイしたのか疑問に思うほどの出来栄えです。これに対し、返金対応を行ったり、迅速なアップデートを行った点はまだ評価できますが、それでも快適にプレイできるレベルにはまだ程遠く、今後の対応が待たれます。

重要なボス戦ですら、ボスが壁に埋まるバグが発生し、一切緊張感のない戦闘になることも。

ハン・ソロよろしく壁に埋まるNPC。

突然T字でぼっ立ちする敵

それでも評価できる点

バグの多さが際立つのは確かですが、それでも製作陣のこだわりを感じる箇所が多く確認できるのが、「サイバーパンク2077」の評価できる点です。

没入感の高い世界観と描写の細かいナイト・シティ

「サイバーパンク2077」の一番の魅力はレトロフューチャーな世界観と、その舞台となるナイトシティの細やかな描写です。

プレイヤーは主人公「V(ヴィー)」となり、ナイト・シティで傭兵のような便利屋稼業を営みながら、ストーリーを進めていきます。

オープンワールドゲームなだけあり、マップはかなり広く作られていて、かつビル群が立ち並ぶ都市部は横だけでなく、縦にも広い構成になっています。

また、郊外エリアは雑多な都市部と対照的に荒野となっており、メリハリを感じさせます。

「サイバーパンク2077」の世界では、日本の大企業「アラサカ」がナイト・シティで幅を利かせており、登場人物や街の名前なども日本的なネーミングとなっています。

いわゆる「外国人が勘違いした日本」感がさらに誇張されて、作中にふんだんに使われており、日本人からすると多少違和感を覚えるかも知れませんが、あくまでリアルではなくフィクションを描くために、あえてそういった表現が使われているような気がします。

混沌としてアンダーグラウンドな雰囲気漂うナイト・シティをじっくり探索すると様々な発見があり、各所に散りばめられた製作陣のこだわりを感じます。

また、車やバイクを使った移動も面白く、AKIRAの金田のバイクを彷彿とさせる赤いバイクが用意されていたり、運転中にかけることのできるカーラジオもチャンネル毎に趣向の異なる楽曲を聞くことができ、世界観を補完してくれます。(なお、車で移動すると建物や人物のテクスチャの処理落ちがかなりの頻度で起こります)

作中に登場する「Us Cracks」という日本人女性3人組のユニットの「PONPON SHIT」という曲は、日本の電波ソングへのオマージュが見受けられます。

このように、全体としてジャパニーズカルチャーへのオマージュが多く、またリスペクトを感じることができ、こういったものが好きな方なら入り込みやすいでしょう。

戦闘は多種多様な戦略を選ぶことができる

「サイバーパンク2077」の戦闘は大きく、銃撃・格闘・ハッキングの3つに分けることができます。

それぞれを織りまぜることももちろん可能ですが、レベルアップに応じてパークツリーにポイントを振り分けることで、それぞれに特化した戦い方も可能になります。

パークをバランスよく底上げするもよし、一つのパークに特化させるもよし、プレイヤーによって様々な戦略を立てることが可能です。

ただ、僕の感覚ではステルスかつハッキングが強いゲームバランスだと感じたこともあり、そのパークレベルを上げていったのですが、特化させると戦闘がマンネリ化する傾向にあります。(一部のアイテムでパークのポイントを振り直すことはできます)

戦闘自体はディビジョンやウォッチドッグスのようなUBI系のオープンワールドアクションに似ています。(バグが多いところもUBIのゲームに似ている)

また、銃撃に関してはこの手のアクションにしては珍しく、本格的なFPSと比較しても遜色ないくらいリコイル制御が困難で、緊張感のある戦闘が楽しめます。

また、敵がドロップする武器にもレアリティやレベルがあるので、ハクスラのような武器集めが好きな方なら楽しめるでしょう。

ただ、武器の種類そのものや、ハッキングスキルの種類はそこまで多いわけではないので、この辺りはアップデート等で改善されることを期待します。

サイドジョブが非常に豊富

「サイバーパンク2077」は尋常じゃない数のサイドジョブ(サイドミッション)が用意されており、それぞれの登場人物にフォーカスしたちょっとしたストーリーを楽しむことができます。

これが意外と凝っており、ついついメインジョブをほったらかしにして、サイドジョブを進めてしまう面白さがあります。

ナイト・シティというディストピアに住む人々の葛藤や、キャラクターのバックグラウンドを知ることで、「サイバーパンク2077」の世界に没入できるようになっています。

サイドジョブは悲劇的または予想外の結末になっているものも多く、思わず考えさせられてしまいます。

その他の問題点

バグが一番の問題点ではありますが、以下では僕がそれ以外に感じた問題点を挙げていきます。

UIが不親切

全体的にUI設計が不親切に感じました。

ドロップしたアイテムがうまく拾えなかったり、アイテムを売却・分解する際にまとめて選択することができなかったり、ところどころイライラさせられる箇所があります。

また、街中にいるNPCのメッセージの字幕が異常に小さかったり、枚挙にいとまがありません。(NPCのメッセージを聞く必要性はほぼないのですが)

昨今、良い評価を得やすいゲームというのは、UIが親切でわかりやすいというのも評価項目に入っているような気がします。

この辺りもいずれアップデートで解消されることを祈っています。

ジョニー・シルヴァーハンドに魅力を感じることができるか

「サイバーパンク2077」では、とある事件をきっかけに主人公Vの精神に、かつて「アラサカ」の企業統治に異を唱えたテロリスト、キアヌ・リーブス演じる「ジョニー・シルヴァーハンド」の精神が混ざり込んでしまうというあらすじがあります。

その後、ジョニーはもう一人の主人公としてVと行動を共にすることとなります。

中盤ではジョニーの過去を追体験するパートもあるのですが、このジョニーという人物の思想、考え方にいまいち一貫性を感じることができず(あるいは描写不足を感じる)、この人物に共感できるかどうかで「サイバーパンク2077」を面白く感じることができるか分かれます。

不具合が全てを台無しにした勿体無いゲーム

ストーリーそのものは非常に面白く、特にジョニーと出会うまでの展開は近年稀に見る高揚感を覚えました。

しかし、このゲームを評価する上で、バグ等の不具合に言及せざるを得ない点はとても残念だなと思います。

制作期間が長く、ウィッチャー以来の新作ということで期待値が高かったこともあり、市場から厳しい評価を受けたのは事実です。

今後のアップデート等の対応で不具合が解消されれば、間違いなく再評価されるゲームでしょう。