こんにちは。なかやんです。
今回、「√Letter(ルートレター)」がPlayStation Nowで無料でダウンロードできるようになっており(記事執筆時点)、クリアしたので感想・レビューを書いていきます。
総プレイ時間は約5時間です。
ちなみに発売当初のトレーラーはこちら。
トレーラーからはかなり期待できそうなゲーム感があります。
「√Letter(ルートレター)」ってどんなゲーム?
「√Letter(ルートレター)」は、実家に帰省していた主人公が、高校時代に文通していた「文野亜弥」との手紙を見つけ、身に覚えのない11通目の手紙がきっかけとなり、彼女の地元である島根に向かうというあらすじです。
文野亜弥は15年前にすでに死亡していたことが分かり、じゃあ俺が文通していた相手は誰だったんだ、と主人公は困惑するのですが、その謎を解いていくために、彼女と親交のあった高校時代の同級生7人に話を聞いていくことでストーリーが進みます。
キャラクターデザインはあのラブプラスの箕星太朗さんで、女性キャラクターが全て魅力的に描かれているのが特徴的です。(下図は脇役の智子ちゃん)
また、舞台となる島根県の背景描写が秀逸で(僕は島根県に行ったことはないのですが…)、まるで「島根観光ゲーム」かと思うような出来となっています。
「√Letter(ルートレター)」の感想
なんか全体的に「垢抜けない」
なんというか、作品を通して全体的に垢抜けないというか古臭い雰囲気が漂っています。
前述した文野亜弥の同級生7人はそれぞれ、あだ名がつけられているのですが、これがあまりにもひどく、この時点で「あれ?このゲーム大丈夫かな」と不安にさせられます。
チビ、サル、ガリ、デブ、ビッチ、メガネ、親友
あだ名と悪口を履き違えているのだろうか。
ちなみに主人公以外は基本フルボイスで、手紙も読み上げられます。
罵詈雑言がゆっくりと丁寧に読み上げられるのはなかなかシュールです。
こちらは、主人公の返信。
主人公のあだ名も「マックス」となんだか古臭く感じます。(手紙のやりとりをしているのが1999年という設定なので、逆にあっているのかもしれませんが…)
主人公の行動が突飛すぎて狂人にしか思えない
主人公のマックスは、文野亜弥に関する謎を探るために島根・出雲市内を巡り、上記の同級生や街の人たちに聞き込みをするのですが、同級生への聞き込みがかなりアグレッシブです。
「普通、初対面でそんなに詰め寄るか?!」とプレイヤーが疑問を持つほどズカズカと他人のプライベートに踏み込んでいきます。(その全力さがマックスたる所以なのかもしれません)
挙げ句の果てに、推理パートが佳境に入ると「マックスモード」なる畳み掛け推理で、暴言に近い言動でシラを切り続ける同級生を追い詰めていきます。
ここまでくるともはや狂人の所業で、何が彼をそこまで駆り立てるのか理解できなくなってきます。
また、捜査の際のマックスの言動もどこか的外れで、捜査の途中で急に遊覧船に乗り出したり、しきりに島根の観光名所に訪れたがります。
インテリっぽいから美術と関係がありそう!という思考が推理アドベンチャーの主人公にしてはあまりにも短絡的すぎる。
主人公だけかと思いきや、登場人物全員狂人だった
ストーリーを進めていくと、文野亜弥と7人の同級生は、友人でありながら、それぞれ文野亜弥に対してわだかまりを抱えていることがわかります。
高校時代の彼らが文野亜弥に対して行ったことが一つ一つ明らかになっていくのですが、しょーもないことから、いやそれ犯罪やろ、ということまで詳らかになっていき、「あ、このゲーム登場人物全員狂人だったんだな」ということがだんだんとわかってきます。
しかも「サスペンスのために用意された明らかな狂人」ではなく、一つ一つの言動をよく見た結果こいつらクズだなと分かるレベルなので余計にたちが悪いです。
彼らなりに高校時代の文野亜弥に対する行いに罪悪感を感じているらしく、マックスの追求で徐々に自責の念に駆られ出し、最終的には消えた文野亜弥に会いたいという流れになるのですが、さながら「クズだけど、『あの花』の真似してみた」みたいな様相を呈しています。
「√Letter(ルートレター)」のいいところ
島根の観光名所の描写や解説は秀逸
冒頭に書いた通り、このゲームは島根観光ゲームかと思うくらい、というかそのために作られたのではないかと思うほど、島根愛が強い作品になっています。
主人公の突飛な思いつきや遠回りな捜査も、制作側が観光名所を巡らせたいがための仕掛けなのではないかと思えるほど、プレイヤーは島根・出雲を行ったり来たりしなければなりません。
博物館のお土産コーナーで、胡椒を「どこかで使うこともあるだろう」、という観点でとりあえず購入することある?
ストーリーに少しだけ出てくるようなカフェなども実在のお店をモデルにしているらしく、そこらへんのリアリティにはかなりのこだわりを感じます。
島根に愛着がある方や、これから島根に旅行にいこうとしている方などには良いゲームなのではないかと思います。
最終的には適度にまとまるストーリー
トゥルーエンドに到達するには最低でもゲームを2周する必要がありますが、ストーリー的には適度にまとまっており、ハッピーエンドで終わるようになっています。
特に派手さもなければ、大団円という感じでもないのですが、気持ちのいいエンディングだったので、シナリオはそこそこ楽しめるようになっています。
また、ルート分岐が文野亜弥への手紙の返信(追伸部分)内容によって変わる、というのも新鮮でした。
ただルート分岐に関しては割と分かりづらい部類に属するので、狙ってルート分岐するなら攻略サイトを見る必要があると思います。
肩の力を抜いて、休みにのんびりプレイして欲しい推理アドベンチャー
「√Letter(ルートレター)」を本格推理アドベンチャーゲームとして遊ぶと、少し肩透かしを食うかもしれません。
島根・出雲の観光名所を巡りながら、都市伝説に触れていくゲームとして捉えれば、それなりに楽しめるかと思います。
トゥルーエンドを見るのも、2周以上プレイする必要がありますが、スキップ機能があるので、5時間くらいでサクッと終わらせることができました。
従来のアドベンチャーゲームと比較すると、シナリオやキャラ設定に少しズレがありますが、ある種の「バカゲー」として割り切ってしまえばそこまで気になりません。
「いや、そこおかしいやろ」と突っ込みながらプレイするのもまた面白いかもしれません。
PlayStation Now会員なら無料ダウンロードができる(記事執筆時点)ので、休日に少しゲームで気分転換したいな、という方にはおすすめできます。